ゲノミクス・トランスクリプトミクス学分野:佐藤研究室
熊本県 熊本大学 医学教育部(募集区分:修士、博士)
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)やヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-1)などのレトロウイルス感染症を中心に、その持続感染や病原性発現のメカニズム解明を目標に掲げて研究を行っています。
HIV-1とHTLV-1は同じヒトCD4+T細胞に感染するレトロウイルスですが、その自然経過は大きく異なります。
HIVは感染CD4+T細胞に細胞死を誘導することで免疫不全症候群(エイズ)を発症させます。当初、エイズは”不治の病”として知られていました。近年、ウイルスの逆転写酵素阻害剤やプロテアーゼ阻害剤などの抗HIV薬の開発が進んだおかげで、感染者の生命予後を劇的に改善させてきました。これまでの研究者たちの日々のHIV研究の積み重ねによって、人類は”不治の病”とされていたエイズを克服することが出来たのです。
しかしながら、現在の感染者に問題が無いかというと残念ながらそうではありません。HIVはいまだに世界的に2,570万人のHIV感染者が存在し、年間50万人の人がこのウイルス感染が原因で亡くなっており、世界的に大きな問題となっています。いまだにウイルスの根絶が叶わないのは、抗ウイルス薬存在下でもウイルスが感染者体内で長期間生き残り、ウイルスの排除を困難にしていることが理由として挙げられます。そのため感染者は生涯にわたり抗HIV薬を飲み続けなければなりません。
一方で、HTLVは感染CD4+T細胞を生存へと導き、その結果として成人T細胞白血病(ATL)や慢性炎症性疾患を引き起こします。また、それらHTLV-1感染症はいまだに特効薬がありません。九州地方はHTLV-1の感染者の多い地域である事から、熊本大学の伝統的にHTLV-1研究やヒトT細胞白血病(ATL)の診療が盛んに行われてきました。 以前、HTLV-1は母子感染が多かったため、HTLV-1感染妊婦のスクリーニング検査と母乳感染の予防によって日本における新規感染者は減少し、”忘れ去られた感染症”として認知されていました。しかし、近年の研究で日本全体ではHTLV-1感染者が減少しているものの、本州の大都市部でその割合が増加していたことが判明しました。そのため、都市部での母子感染(垂直感染)や、性感染や輸血を介する感染(水平感染)が増加している可能性が考えられ、今後注視する必要がある感染症の1つとして再認識されるようになっています。
私達の研究室では次世代シークエンスの技術を積極的に取り入れることで、これらの難治性レトロウイルス感染症の治療戦術を確立するために、ブレークスルーとなる発見を生み出すために、日々研究に励んでいます。
佐藤研究室の主な研究成果
著者名 Tan B (博士学生/研究員) et al.,
雑誌名 The Journal of Clinical Investigation (2021.12)
著者名 Katsuya H (特任助教) et al.,
雑誌名 Cell Reports (2019.10)
プレスリリースはこちら(日本語)
著者名 Saori C Iwase (修士学生) et al.,
雑誌名 Scientific Reports (2019.01)
著者名 Matsuo Misaki (特任助教) et al.,
雑誌名 Nature Communications (2022.05)
著者名 Samiul Alam Rajib (大学院生) et al.,
雑誌名 Journal of Infection and Chemotherapy (2022.01)
著者名 Matsuo M (ポスドク) et al.,
雑誌名 Research Square (2021)
著者名 Matsuda K (共同研究) et al.,
雑誌名 Cell Reports Methods in press (2021)
著者名 Tan B (博士学生) et al.,
雑誌名 The Journal of Clinical Investigation (2021)
著者名 Katsuya H (特任助教) et al.,
雑誌名 The Journal of Infectious Diseases, in press (2021)
著者名 Ohnuki N (修士学生) et al.,
雑誌名 Scientific Reports (2021)
著者名 Kalfaoglu B (共同研究) et al.,
雑誌名 Biochemical and Biophysical Research Communications (2020)
著者名 Aso H (共同研究) et al.,
雑誌名 Cell Reports (2020)
著者名 Miyazato P (特任助教) et al.,
雑誌名 Retrovirology (2019)
著者名 Katsuya H (特任助教 / 大学院生) et al.,
雑誌名 Cell Reports (2019)
著者名 Iwase SC (大学院生) et al.,
雑誌名 Scientific Reports (2019)
・アメリカ国立衛生研究所
・ケープタウン大学大学院
・阪大微生物病研究会
・熊本大学
・佐賀大学医学部
・京都大学病院
・麻生飯塚病院
熊本県熊本市中央区本荘1-1-1 基礎医学研究棟9階 918号
令和5年度 4月期入学者についての入試情報 (2022年 5月26日更新)
<<注意>>
新型コロナウイルスの影響により、試験の情報が急に変更になる可能性があります。
【修士課程】
医学教育部 医科学専攻
<試験日程>
第1期募集:2021年 8月 2日
第2期募集:2022年 1月 27日
第3期募集 :2022年 3月 6日
<入試科目>
・英語 (外部スコアの提出で代用可)
・基礎科学一般
・口述試験 (志望理由と入学後の研究など)
※英語試験について、TOEFL-ITPを実施. 辞書の持ち込みは不可.
外部スコアは以下の点数を超えたものが提出可能. ただし、以下のスコアは提出ができる最低点である.
TOEIC L&R または熊本大学で実施されたTOEIC-ITP (380以上)
TOEFL-iBT (33以上)
TOEFL-PBT または熊本大学で実施されたTOEFL-ITP (407以上)
IELTS (4以上)
※基礎科学一般に関する記述試験を実施. 範囲は
社会科学領域:公衆衛生学・衛生学・ 疫学・心理学など
生物学領域:細胞生物学・分子生物学・遺伝学・生化 学・化学など
生命科学一般領域:免疫学・微生物学・生理学・薬理学・薬学など
の各領域からそれぞれ3題出題, その中から4題を選択し解答
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【博士課程】
医学研究科 医学専攻
<試験日程>
第1期募集:2021年 8月 3日
第2期募集:2022年 1月 28日
第3期募集:2022年 3月 7日
<入試科目>
・英語 (外部スコアの提出で代用可)
・口述試験 (志望理由と入学後の研究など)
※英語試験について、TOEFL-ITPを実施. 辞書の持ち込みは不可.
外部スコアは以下の点数を超えたものが提出可能. ただし、以下のスコアは提出ができる最低点である.
TOEIC L&R または熊本大学で実施されたTOEIC-ITP (380以上)
TOEFL-iBT (33以上)
TOEFL-PBT または熊本大学で実施されたTOEFL-ITP (407以上)
IELTS (4以上)
熊本大学 医学教育部
https://www.kumamoto-u.ac.jp/nyuushi/daigakuinnyushi/igakukyouiku
<<注意>>
新型コロナウイルスの影響により、試験の情報が急に変更になる可能性があります。
【修士課程】
医学教育部 医科学専攻
<試験日程>
第1期募集:2021年 8月 3日
第2期募集:2022年 1月 28日
第3期募集 :2022年 3月 7日
<入試科目>
・英語 (外部スコアの提出で代用可)
・基礎科学一般
・口述試験 (志望理由と入学後の研究など)
※英語試験について、TOEFL-ITPを実施. 辞書の持ち込みは不可.
外部スコアは以下の点数を超えたものが提出可能. ただし、以下のスコアは提出ができる最低点である.
TOEIC L&R または熊本大学で実施されたTOEIC-ITP (380以上)
TOEFL-iBT (33以上)
TOEFL-PBT または熊本大学で実施されたTOEFL-ITP (407以上)
IELTS (4以上)
※基礎科学一般に関する記述試験を実施. 範囲は
社会科学領域:公衆衛生学・衛生学・ 疫学・心理学など
生物学領域:細胞生物学・分子生物学・遺伝学・生化 学・化学など
生命科学一般領域:免疫学・微生物学・生理学・薬理学・薬学など
の各領域からそれぞれ3題出題, その中から4題を選択し解答
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【博士課程】
医学研究科 医学専攻
<試験日程>
第1期募集:2021年 8月 3日
第2期募集:2022年 1月 28日
第3期募集:2022年 3月 7日
<入試科目>
・英語 (外部スコアの提出で代用可)
・口述試験 (志望理由と入学後の研究など)
※英語試験について、TOEFL-ITPを実施. 辞書の持ち込みは不可.
外部スコアは以下の点数を超えたものが提出可能. ただし、以下のスコアは提出ができる最低点である.
TOEIC L&R または熊本大学で実施されたTOEIC-ITP (380以上)
TOEFL-iBT (33以上)
TOEFL-PBT または熊本大学で実施されたTOEFL-ITP (407以上)
IELTS (4以上)
研究室概要
<メンバー構成>
佐藤 賢文 教授
菅田 謙治 助教
実験補佐員数 2名
事務員 1名
博士研究員 4名
博士学生 7名
<研究室URL>
https://kumamoto-u-jrchri.jp/satou/
<大学院情報>
熊本大学大学院教育部