神経科学分野:深澤研究室
福井県 福井大学 医学系研究科(募集区分:博士)
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記憶とその快・不快価値付けの神経メカニズムを研究しています
研究の将来性
心や個性の理解、精神疾患の病態理解と対処法の開発に繋がります。
研究のここが面白い!
記憶の仕組みや記憶に意味付けする仕組みを探ることを主眼としていますが、脳神経による感覚情報処理や行動選択に関わることなら何でも取り組みたいです。分子局在・神経細胞形態・神経回路・個体行動の様々な実験系を目的に応じて独自開発するのも研究の醍醐味だと思っています。
深澤研のアピールポイント!
研究テーマ選定は個人の興味を尊重
ヒト脳も研究できる
臨床医と交流できる
日本で唯一のレプリカ標識技術
初心者でも興味があればOKです。
ヒトを含む脊椎動物は、新しい経験や知識を正や負の価値付けと共に記憶し、これらの記憶を基に現状を分析しながら行動することで、生存を有利にしたりより良い生活環境を作り出せる生き物です。この働きは脳内のニューロンとグリアが作る複雑なネットワークにより支えられています。そこで我々は、分子生物学から行動薬理学に至る多様な実験生物学的手法を駆使して「特定の感覚情報の処理と記憶」や「記憶に基づく行動変化」に関わる脳内神経回路を同定し、その神経解剖学的特徴や分子基盤を明らかにしながら、脳がどのようにして情報を記憶し、利用しているのかを解明しようとしています。また、記憶情報は「こころ(情動)」と結び付けられることで価値を持ちます。ですから、個々の情報に対してどの様に情動的な重みづけが行われているかについても明らかにしたいと考えています。
さらに、記憶や行動が障害される神経精神疾患が多数存在します。そこで、これらの疾患の病態の理解を深めて、新しい治療戦略を創出することを目指した研究も行っています。
これらの研究を進めるため、光遺伝学を用いた神経回路の可視化と操作、先端的電子顕微鏡技術を応用した高感度で高分解能な分子局在解析など、新規で独自性の高い実験技術を駆使する点、そして、これらの技術を活かして内外の研究者と広く共同研究を行う点も我々の研究室の特色です。
深澤研究室の主な研究成果
さらに、記憶や行動が障害される神経精神疾患が多数存在します。そこで、これらの疾患の病態の理解を深めて、新しい治療戦略を創出することを目指した研究も行っています。
これらの研究を進めるため、光遺伝学を用いた神経回路の可視化と操作、先端的電子顕微鏡技術を応用した高感度で高分解能な分子局在解析など、新規で独自性の高い実験技術を駆使する点、そして、これらの技術を活かして内外の研究者と広く共同研究を行う点も我々の研究室の特色です。
深澤研究室の主な研究成果
Na,K-ATPaseαサブユニットアイソフォームのマウス脳領域および神経細胞サブタイプ特異的発現
論文タイトル Region- and neuronal-subtype-specific expression of Na,K-ATPase alpha subunit isoforms in the mouse brain.
著者名 Murata K (助教) et al.,
雑誌名 Journal of Comparative Neurology (2020.11)
著者名 Murata K (助教) et al.,
雑誌名 Journal of Comparative Neurology (2020.11)
ドーパミンは内嗅覚野での連想記憶のエンコードを促進する
論文タイトル Dopamine facilitates associative memory encoding in the entorhinal cortex.
著者名 Lee JY (共同研究) et al.,
雑誌名 Nature (2021.09)
プレスリリースはこちらから(日本語)
著者名 Lee JY (共同研究) et al.,
雑誌名 Nature (2021.09)
プレスリリースはこちらから(日本語)
マウス嗅結節前部におけるプロダイノルフィン及びプレプロエンケファリンmRNA発現細胞の細胞特性
論文タイトル Cellular Profiles of Prodynorphin and Preproenkephalin mRNA-Expressing Neurons in the Anterior Olfactory Tubercle of Mice.
著者名 Maegawa Ayak (博士課程大学院生2年) et al.,
雑誌名 Frontiers in Neural Circuits (2022.07)
著者名 Maegawa Ayak (博士課程大学院生2年) et al.,
雑誌名 Frontiers in Neural Circuits (2022.07)
2022年に発表された主要論文
2021年に発表された論文
C末端PDZドメイン結合モチーフを欠失したclaudinによる密着結合形成
論文タイトル Tight junction formation by a claudin mutant lacking the COOH-terminal PDZ domain-binding motif.
著者名 Fujiwara S (共同研究) et al.,
雑誌名 Annals of the New York Academy of Sciences (2022)
著者名 Fujiwara S (共同研究) et al.,
雑誌名 Annals of the New York Academy of Sciences (2022)
P301tau遺伝子導入マウスの海馬にけるシナプス内外のNMDA受容体分布変化
論文タイトル Different modes of synaptic and extrasynaptic NMDA receptor alteration in the hippocampus of P301S tau transgenic mice.
著者名 Alfaro-Ruiz R (共同研究) et al.,
雑誌名 Brain Pathology (2022)
著者名 Alfaro-Ruiz R (共同研究) et al.,
雑誌名 Brain Pathology (2022)
APP/PSアルツハイマーモデルマウスの海馬におけるGABAB受容体とGIRKチャネルのナノスケールの分布変化
論文タイトル Nanoscale alterations in GABAB receptors and GIRK channel organization on the hippocampus of APP/PS1 mice.
著者名 Martín‑Belmonte A (共同研究) et al.,
雑誌名 Alzheimer’s Research & Therapy (2022)
著者名 Martín‑Belmonte A (共同研究) et al.,
雑誌名 Alzheimer’s Research & Therapy (2022)
マウス嗅結節前部におけるプロダイノルフィン及びプレプロエンケファリンmRNA発現細胞の細胞特性
論文タイトル Cellular Profiles of Prodynorphin and Preproenkephalin mRNA-Expressing Neurons in the Anterior Olfactory Tubercle of Mice.
著者名 Maegawa A (大学院生) et al.,
雑誌名 Frontiers in Neural Circuits (2022)
著者名 Maegawa A (大学院生) et al.,
雑誌名 Frontiers in Neural Circuits (2022)
グリア細胞が一過性に発現するmGluR5がシナプス可塑性とその後の慢性疼痛の発症を誘導する
論文タイトル Transient astrocytic mGluR5 expression drives synaptic plasticity and subsequent chronic pain in mice.
著者名 Danjo Y (共同研究) et al.,
雑誌名 J. Exp. Med (2022)
著者名 Danjo Y (共同研究) et al.,
雑誌名 J. Exp. Med (2022)
光遺伝学刺激により誘導されるてんかん耐性
論文タイトル Optogenetic stimulus-triggered acquisition of seizure resistance.
著者名 Shimoda Y (共同研究) et al.,
雑誌名 Neurobiology of Disease (2022)
著者名 Shimoda Y (共同研究) et al.,
雑誌名 Neurobiology of Disease (2022)
メタアンフェタミンによる体温上昇と心拍数の変化におけるオレキシンニューロンの多面的な役割
論文タイトル Multifaceted roles of orexin neurons in mediating methamphetamine-induced changes in body temperature and heart rate.
著者名 Miyata K (共同研究) et al.,
雑誌名 IBRO Neurosci Rep (2022)
著者名 Miyata K (共同研究) et al.,
雑誌名 IBRO Neurosci Rep (2022)
ドーパミンは内嗅覚野での連想記憶のエンコードを促進する
論文タイトル Dopamine facilitates associative memory encoding in the entorhinal cortex.
著者名 Lee JY (共同研究) et al.,
雑誌名 Nature (2021)
著者名 Lee JY (共同研究) et al.,
雑誌名 Nature (2021)
エンドソームQ-SNAREであるSyntaxin 7は海馬神経細胞の急速に補充されるシナプス小胞リサイクルプールを規定する
論文タイトル The endosomal Q-SNARE, Syntaxin 7, defines a rapidly replenishing synaptic vesicle recycling pool in hippocampal neurons.
著者名 Mori Y (共同研究) et al.,
雑誌名 Communications Biology (2021)
著者名 Mori Y (共同研究) et al.,
雑誌名 Communications Biology (2021)
アルツハイマー病モデルマウスの海馬細胞では神経細胞表面に発現するmGlu5受容体の密度が低下している
論文タイトル The Density of Group I mGlu5 Receptors Is Reduced along the Neuronal Surface of Hippocampal Cells in a Mouse Model of Alzheimer’s Disease.
著者名 Martín-Belmonte A (共同研究) et al.,
雑誌名 International Journal of Molecular Sciences (2021)
著者名 Martín-Belmonte A (共同研究) et al.,
雑誌名 International Journal of Molecular Sciences (2021)
CAPS1は海馬のシナプス可塑性と海馬関連の学習に関与している
論文タイトル CAPS1 is involved in hippocampal synaptic plasticity and hippocampus-associated learning.
著者名 Ishii C (共同研究) et al.,
雑誌名 Scientific Reports (2021)
著者名 Ishii C (共同研究) et al.,
雑誌名 Scientific Reports (2021)
樹状突起スパインシナプスの構造と樹状突起上の配置原則
論文タイトル Geometry and the organizational principle of spine synapses along a dendrite.
著者名 Parajuli L (共同研究) et al.,
雑誌名 eNeuro (2020)
著者名 Parajuli L (共同研究) et al.,
雑誌名 eNeuro (2020)
アルツハイマー病におけるAMPA受容体のシナプスから細胞内コンパートメントへの加齢に伴うシフト:APP/PS1トランスジェニックマウスモデルのCA1海馬領域における免疫細胞化学的解析
論文タイトル Age-dependent shift of AMPA receptors from synapses to intracellular compartments in Alzheimer’s disease: Immunocytochemical analysis of the CA1 hippocampal region in APP/PS1 transgenic mouse model.
著者名 Martín-Belmonte A (共同研究) et al.,
雑誌名 Frontiers in Aging Neuroscience (2020)
著者名 Martín-Belmonte A (共同研究) et al.,
雑誌名 Frontiers in Aging Neuroscience (2020)
ディープラーニングを用いた凍結割断レプリカ標識画像のハイスループット解析による海馬シナプスにおけるグルタミン酸受容体とカルシウムチャネル局在解析
論文タイトル Deep learning-assisted high-throughput analysis of freeze-fracture replica images applied to glutamate receptors and calcium channels at hippocampal synapses.
著者名 Kleindienst D (共同研究) et al.,
雑誌名 International Journal of Molecular Sciences (2020)
著者名 Kleindienst D (共同研究) et al.,
雑誌名 International Journal of Molecular Sciences (2020)
生理的温度で作成した急性脳切片のシナプス機能解析における利点
論文タイトル Advantages of acute brain slices prepared at physiological temperature in characterization of synaptic functions.
著者名 Eguchi K (共同研究) et al.,
雑誌名 Frontiers in Cellular Neuroscience (2020)
著者名 Eguchi K (共同研究) et al.,
雑誌名 Frontiers in Cellular Neuroscience (2020)
アルツハイマー病モデルマウスにおける海馬のシナプス後およびシナプス前のGABAB受容体の神経細胞表面の減少
論文タイトル Reduction in the neuronal surface of post- and pre-synaptic GABAB receptors in the hippocampus in a mouse model of Alzheimer´s disease.
著者名 Martín-Belmonte A (共同研究) et al.,
雑誌名 Brain Pathology (2019)
著者名 Martín-Belmonte A (共同研究) et al.,
雑誌名 Brain Pathology (2019)
マウス外側視床下部に投射する嗅覚皮質のGABA作動性ニューロン
論文タイトル GABAergic neurons in the olfactory cortex projecting to the lateral hypothalamus in mice.
著者名 Murata K (助教) et al.,
雑誌名 Scientific reports (2019.5)
著者名 Murata K (助教) et al.,
雑誌名 Scientific reports (2019.5)
場所嗜好性の獲得におけるマウス嗅球前内側のドーパミン受容体D1およびD2発現ニューロンの相反する役割
論文タイトル Opposing Roles of Dopamine Receptor D1- and D2-Expressing Neurons in the Anteromedial Olfactory Tubercle in Acquisition of Place Preference in Mice.
著者名 Murata K (助教) et al.,
雑誌名 Frontiers in Behavioral Neuroscience (2019.03)
著者名 Murata K (助教) et al.,
雑誌名 Frontiers in Behavioral Neuroscience (2019.03)
ミクログリアのSIRPαは、白質におけるCD11c+ミクログリアの出現と脱髄障害を制御する
論文タイトル Microglial SIRPα regulates the emergence of CD11c+ microglia and demyelination damage in white matter.
著者名 Sato-Hashimoto M (共同研究) et al.,
雑誌名 eLife (2019.03)
著者名 Sato-Hashimoto M (共同研究) et al.,
雑誌名 eLife (2019.03)
シナプス内AMPA受容体エンドサイトーシスの光遺伝学的制御による、運動学習におけるLTDの役割の証明
論文タイトル Optogenetic Control of Synaptic AMPA Receptor Endocytosis Reveals Roles of LTD in Motor Learning.
著者名 Kakegawa W (共同研究) et al.,
雑誌名 Neuron (2018.08)
著者名 Kakegawa W (共同研究) et al.,
雑誌名 Neuron (2018.08)
脳の最大の謎「こころ」が作られる仕組みの解明に一緒に挑んでみませんか?
マウスやラットで「こころ」が分かるの?なんて思うかもしれません。でもこれら実験動物でも我々の「こころ」に通じる「情動生成の仕組み」が備わっています。
近年、実験生物学的手法はものすごい勢いで発展しています。この追い風を自らの工夫でさらに進化させて、脳の最大の謎に一緒に取り組んでくれる方の参加をお待ちしています。
また、「こころ」には興味が無いんだけど、脳や神経の他の働きには興味が有る、と言う方も大歓迎です!
実際、現在在籍している大学院生の一人は「脳梗塞後のより良いリハビリテーション手法」を追い求めて、ラットの脳梗塞モデルで梗塞後の回復メカニズムを研究し、別の大学院生は「歯痛の予防法や治療法の開発」を目指して、ラットの歯痛を定量的に評価する新しい方法の開発を行ったりしています。
また、まだ誰も手を付けていない疑問に最初に取り組み新しい研究分野のパイオニアを目指すのも基礎研究の醍醐味の一つです。「アレルギーになると、食に対するモチベーションが変わるのか?」なんていうテーマに挑んでいる大学院生も在籍しています。
自分の「なぜ?」「どうして?」に正面から取り組める場所が「大学の研究室」です。疑問を心に秘めた学生さんの来室を心よりお待ちしています。
The mind is not a vessel to be filled, but a fire to be kindled. (Plutarchus)
マウスやラットで「こころ」が分かるの?なんて思うかもしれません。でもこれら実験動物でも我々の「こころ」に通じる「情動生成の仕組み」が備わっています。
近年、実験生物学的手法はものすごい勢いで発展しています。この追い風を自らの工夫でさらに進化させて、脳の最大の謎に一緒に取り組んでくれる方の参加をお待ちしています。
また、「こころ」には興味が無いんだけど、脳や神経の他の働きには興味が有る、と言う方も大歓迎です!
実際、現在在籍している大学院生の一人は「脳梗塞後のより良いリハビリテーション手法」を追い求めて、ラットの脳梗塞モデルで梗塞後の回復メカニズムを研究し、別の大学院生は「歯痛の予防法や治療法の開発」を目指して、ラットの歯痛を定量的に評価する新しい方法の開発を行ったりしています。
また、まだ誰も手を付けていない疑問に最初に取り組み新しい研究分野のパイオニアを目指すのも基礎研究の醍醐味の一つです。「アレルギーになると、食に対するモチベーションが変わるのか?」なんていうテーマに挑んでいる大学院生も在籍しています。
自分の「なぜ?」「どうして?」に正面から取り組める場所が「大学の研究室」です。疑問を心に秘めた学生さんの来室を心よりお待ちしています。
The mind is not a vessel to be filled, but a fire to be kindled. (Plutarchus)
現在3名の社会人大学院生が研究を行っています。附属病院の歯科口腔外科医、耳鼻咽喉科医、そして他大学の助教兼作業療法士として働いています。
〒910-1193 吉田郡永平寺町松岡下合月23-3 松岡キャンパス(医学部)
令和4年度 4月期入学者についての入試情報 (令和3年 6月17日更新)
<<注意>>
新型コロナウイルスの影響により、試験の情報が急に変更になる可能性があります。
【修士課程】
募集はありません。
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【博士課程】
統合先進医学専攻 医科学コース
<入試日程>
第一回:2021年09月01日
第二回:2022年01月21日
<入試科目>
・外国語 (英語)
・口頭試問 (志望する専攻・部門(コース)についての口頭試問)
※英語試験では辞書の持ち込み可.
研究室概要
<メンバー構成>
深澤 有吾 教授
黒田 一樹 准教授
村田 航志 助教
実験補佐員 2名
事務員 1名
博士学生 3名
学部生 1−3名
<研究室URL>
https://www.med.u-fukui.ac.jp/laboratory/brain/
<大学院情報>
福井大学 総合先進医学専攻